ここでは「キャラクター」について説明します!
古今東西、さまざまなパフォーマンスがあり、演者がいます。
その根本に共通していること、それは「誰が何を演じているか」です。
そのなかで人は一般的に、この「誰が」と言うのを無意識のうちに強く意識して見ています。
言い換えると、演技は何をやっていてもいいんです。それが上手くても、下手でも。
しかしこの「誰が」と言う部分がしっかりとできていれば、どんな演技でも人は楽しんで見ていってくれます。
目次
人はキャラクターを好きになる
キャラクターとは何だろう?
一般にキャラクターといえば、アニメや漫画などを思い出すかも知れません。
辞書で調べるとこう出てきます。
キャラクター【character】とは
- 性格。人格。その人の持ち味。「特異なキャラクターの持ち主」
- 小説・劇・映画などの登場人物。「キャラクターの設定がうまい」
- 文字、記号
引用:goo辞書
キャラクターとは、性格や人格、その人の持ち味とあります。
そしてパフォーマンスにおいても実はこのキャラクター、つまり演者がどういう性格や人格なのかというのはとても大事なことなのです。
なぜかというと、人はあなたのショーはぶっちゃけ見ていません…!!
もう少し具体的に書くと、あなたの使っている道具は見ていないんです。
では、何を見ているかというと、それはあなたのキャラクター、つまりあなたは誰か、そう、あなた自身を見ているのです。
分かりやすい例をあげます。
例えば、大好きな映画やアニメ、漫画などを思い出してみて下さい。
あなたはその映画やアニメ、漫画の何が好きですか?
それはきっと、そこに出てくる登場人物ではないでしょうか?
また、世界中で多くのファンがいるディズニーですが、人はディズニーが好きなのではないんです。
そこに出てくるキャラクター、つまりミッキーやミニー、ドナルドやスティッチ、ぷーさんなどが好きなんです。
つまり、
パフォーマーにとってしっかりとした自身のキャラクターを作り上げること
それがパフォーマンスを行う上で何よりも大切なことなんです!
それが面白いショーの秘訣です。
自分のキャラクターを見つける
では自分とはどういうキャラクターなのかというのを見つけていきます。
その方法はいくつかあるけれど、その根本に共通するのは、まずは自分自身を知るということです。
自分自身を知る
自分自身を知るとはつまり、客観的に自分を見ることである。
- 自分の長所、自分の短所
- くせ、習慣、弱さ、いつもやってしまうこと
- 口癖、動作、歩き方、くしゃみの仕方、足の組み方、ほおづえの付き方、髪の掻き上げ方
- 怒った時の口調、態度、目付き、手の動作、腕の組み方、体の向き
- 笑った時の顔の表情、口角、雰囲気、態度
- 悲しい時、愛おしい時、絶望した時、絶叫した時、幸せな時、などなど
普段から、自分の内面に焦点をあて、客観的に自分とはどういう人間か、どういう癖があって、何が好きで、何が嫌いかなどを見ていよう。
長所は長所、短所も長所!
それらを知った上で、長所、短所がいろいろと出てくると思います。
短所をいろいろと知るのは勇気のいることだし、へこむこともあるかもしれません。
けれどそれら短所は、多ければ多いほど実は魅力的なキャラクターになったりします。
人は長所よりも短所に目がいくものだし、舞台上ではその短所がチャームポイントとなったりします。
そのコツとしては、自分の短所を隠さずに、むしろ誇張して表現していきます。
例えば:
- すぐに怒ってしまう人は、それをさらに誇張して動作も大きく怒る。
- 特定の口癖があれば、それを敢えて何度も繰り返すことで、個性的になりえる。
- 髪を掻き上げる癖があれば、それをさらに誇張して。また表情も付け加えてナルシストになる。
- 独り言を言う癖があれば、それを徹底する。
出る杭は目障りだが、出過ぎた杭は人々の注目を浴びるのだ!
内面にある本質的変身願望を知る
上記したのは普段の自分の癖からキャラクターを確立させる方法で、クラウニングによく用いられる手法になります。
もう一つ別の方法も紹介します。
それが、自分の中にある憧れや、本質的な変身願望です。
例えば、映画のヒーローや、アニメのキャラクター、ヒロイン。
誰でも一度は憧れたことがあるはずです。
そのキャラクターの何が好きになったのでしょう?
性格や、口癖、行動、世界観。
これらの中で、好きな要素を自分の中に取り入れてみましょう!
動物置換法
これは、フランスの有名なマイムの教授者ジャック・ルコック(Jacques Lecoq)の発案した方法です。
自分の中にある性質を動物に置き換えます。
方法としては、まず静かで落ち着いた環境で床に横たわります。
集中するために、屋内で、カーテンを閉めた薄暗い環境がいいと思います。
<例>
体を伸ばし、深く呼吸をして下さい。
手の指を感じてみて下さい。足の先を感じてみて下さい。
あなたは今生きています。
あなたは今動物です。
その手はどのような形をしていて、どのように動きますか?
腕を動かしてみて下さい。
どのように動きますか?
足を動かしてみて下さい。
どのように動きますか?
上半身を動かしてみて下さい。
どのように動きますか?
(焦らずに時間をかけてやる)
*途中省略
歩き方は?
他の生き物と出逢ったらどうする?
お腹が空いたらどうする?
・
・
もといた位置に戻ってきて下さい。
夜になりました。
寝るときはどのように寝ますか?
動物置換法このようにやります。
ただ周囲の環境に左右される人も多いので、うるさくない静かな環境が望ましいです。
またこの他にも、音楽を聞いて、その動物だったらどういう動きをするかや、恋をした場合、怒った場合、悲しい場合にどういう表情をしたり、行動をするかなどやっていきます。
普段の自分ではなかなか出しにくい感情も、動物に置き換えることで心の内面を出しやすくなります。
これはある意味、動物という「仮面」を被っている状態なのかもしれません。
しかしその仮面も、自分の本質のうちにあるれっきとした自分です。
これらは、一回二回、一日二日で習得できたり理解できるものではありませんが、繰り返しのトレーニングによって身につけていけます。
もう一つのキャラクター:「役」とは
上記してきた以外にもう一つのキャラクターというのがあります。
それがお芝居やドラマなどでよく見る、「役」です。
これはつまり、自分でない誰か他人になること。
これは実はすごく難しく、その役柄の心情を察知し、それになりきり、怒り、笑い、時に涙を流します。
世の中には、名女優、名俳優なんて言われている人がいますよね。
ある意味正解のない世界。どれだけ人の感情を揺さぶることができるか。
「他人になる」というのは並大抵のことではないと思います。
けれど、お芝居に向いている人もいます。他人という仮面をつけることで、自身の代弁ができる人。そこには感情が深く入り込み人を魅了できる人がいます。名演技ができる人は得てして、いじめられていたなど、心に何か傷を負っている人が多かったりします。
そういう人は、辛かった自分の過去から他人の気持ちが理解しやすいので、役になり切るというのが上手だったりします。
まとめ
はい、いかがでしたでしょうか?
最後に「他人になるのは難しい」と書きましたが、もちろん「自分自身を知る」のも難しいものです。
それでもボクがオススメするのは、まずは自分自身になること。
今回紹介してきた内容は、全て、自分のうちにある知らない自分を引き出す方法です。
そのほうが実際には簡単でもあり、そしてそれはパフォーマンス以外でも実生活の多くで活きてきます。
自分をより深く知り、感情をしっかりと表現できるようになり、それらを伝えることができるようになる。
冒頭で記した、「キャラの濃い人」、つまり持ち味のしっかりとある人。
それって人生がちょっと楽しくなってくると思いませんか?^^
キャラクターについては、こちらも参考にしてください。