みなさんはジャグリングはご存知ですか?
伝統的には、ボールなどを何個も宙に投げ、コントロールし連続して投げ続ける事をジャグリングと言います。
古代の歴史には、エジプトの壁画にも描かれていたというジャグリング。
今回はEJCと呼ばれヨーロッパで開かれる世界最大のジャグリング・コンベンションの様子をレポートしたいと思います!
目次
EJC2019 in Newark,UK
第42回になる今年のEJCは、イギリス中部の小さな街Newarkというところで開催されました。
毎年開催場所が移り、毎年ヨーロッパのどこかの街で夏に行われます。
EJCとは、European Juggling Conventionの略。(ヨーロピアン・ジャグリング・コンベンション)
〈コンベンションとは集会の意。競争するコンペティションとは違う〉
開催場所によって参加人数も変わり、地理的な理由もありドイツやフランスなどで開催される場合はアクセスしやすく人もたくさん集まり賑わいます。
今年はイギリスの為、若干参加人数が少なかったけれど、それでもおよそ3500人程のジャグラーが集いました!
1週間の期間の間、朝から晩まで様々な企画やワークショプに催し物があり、また毎晩のようにジャグリングのショーがありました。
参加方法
参加には、入場チケットの購入が必要だ。
例年、150ユーロ前後である。(毎年、国や規模、企画者が変わる為に値段も変動する。)
チケットはネットから申し込むのが一番確実だが、現地に直接行って買うことも出来る。
ただ、初日などは混雑する為に事前にチケットを買っておくと安心だ。また割引もされる。
そしてチケットには、各種設備の使用、毎晩あるショーの観覧。そして最終日のGalaショーも含まれる。
ただGalaショーは座席に限りがあるので、参加者が多く、チケットの購入が遅いと見れなくなってしまう可能性がある。なので、参加を決めたならば早めにチケットを購入しよう!
EJCの設備は?
例年、EJCにて置かれる設備は以下のようなものがある。
・24時間ジムホール
・シャワー、トイレ
・キャンプサイト、キャンピングカーサイト
・フードエリア、キッチンカー、バー
・ショー用の巨大テント
・総合受付、インフォメーション
・トレーダーズテント、物販
・救急エイド
どんな事をするの?
基本的にはEJCはコンベンション(集会)なので、みんなで練習したり、技術を交換しあったりするのがメインになる。
ワークショップ
ワークショップは毎日朝から晩まであり、自由参加だ。道具毎のワークショップとなる。またアクロバットや綱渡り、逆立ちの仕方、さらにクラウンやボディーパーカッションなども。座学もあれば実践もある。またヨガや太極拳などもあり、様々なものがある。
誰でも教える事ができるので、毎年参加者によってバリエーション豊かに変わる。
アーティストショー・オープンステージ
EJCには毎年、2つ以上の巨大なサーカステントが設置される。
そのうちの一つでは、毎晩、招待されたアーティストによるショーが行われる。劇場型のショーで、様々な趣向を凝らした一流のジャグリングショーが見れる。
もう一つのテントでは同時刻にオープンステージが行われる。
これは誰でも出場でき、上手い下手に関係なく自分のショーを披露できる絶好の場だ。参加者が多いと抽選になる。
ここは普通の場所と違い、見ている観客全員がジャグラーである。
小手先の技術だけでは通用しないが、その分観客は盛り上げ上手でもある。
どちらを見るのも自由だ!
パレード
これは集ったジャグラー皆でその街の広場を目指しパレードするものだ
数千人のジャグラーが一堂に会し、街を練り歩くその様子は圧巻の一言だ!!
最後に辿り着いた街の広場では、ゲストアーティストによるショーも行われる。
ジャグリンピック!
「ジャグリング」と「オリンピック」を掛けたこれは、EJCの中で唯一ある競争競技かもしれない。
しかしながらとても面白い企画の一つだ!
これは同じ道具を持つ者同士で誰が一番かを決めるのだ。
例えば、5ボールを回せる人が出て、誰が最後まで落とさずに回せるかを競う。
しかしみんな上手だ。なかなか脱落者が出ないと、その内にボールを回しながら座れなど難しい指示が出てくる。
道具毎に競技があり、とても盛り上がる!!
Galaショー
これは、最終日に行われるEJCのメインイベントだ。
これは世界各国から招待されたトップパフォーマー達によるショーだ。
度胆を抜くテクニックや、可憐な演技、一流のパフォーマンス。
ジャグラーの中のジャグラー。ここで演技される者達は、まさに世界屈指の強者達である。
レネゲードショー
これも恒例だ。そしてこれを一番の楽しみにしている人も多いようだ。
レネゲード「Renegade」を辞書で見てみると、「反逆者」などと出てくる。
確かにこのレネゲードショーはきちんとしたステージショーなどとは違い、言ってみれば何でもありだ。
基本的には一発芸的なもので、観客を「おぉー!」と言わせれば成功である。
そして見事に「おぉー!」と言わせられたらお酒が飲めるのだ。(笑)
そこにはテキーラやラムなど強いお酒が並ぶ。
もちろんレベルの高いジャグリングの技や、ハラハラドキドキする凄い一発芸などを披露する人も多い。
しかし毎晩0時に始まり明け方までやるそれは、半分以上はくだらない一発芸や、下ネタを出す人も多いのであった。(笑)
そんな夜中のショータイムはそれで盛り上がり、そしてお酒が入るとまた更に酔いが回ってレネゲードな時間へと化していくのであった。
ジャグリング以外のEJCのもう一つの魅力!
EJCの魅力はただジャグラーが集うというだけではない。
ジャグリングを拡大解釈すると、サーカスという概念と結びついてくる。
サーカスといえば、空中ブランコやトランポリン、綱渡りにアクロバットやエアリアル、クラウンやバルーン、一輪車や皿回し、バランス芸に軟体芸(コントーション)、そして多くの曲芸奇芸などではないだろうか?
EJCの面白いところは、その全ての人種が来るという事だ。
縦ではなく横であり、客としてではなく仲間として繋がり、同じ場所でキャンプしながら練習をし、ショーを見てお酒を飲む。
世界中から集まるサーカス人達は、舞台の上とはまた違った人間らしい表情を見せてくれる。
そんな人達とも交流が持てるのもこのEJCの大きな魅力の一つに違いない。
サーカスの今後
サーカスという言葉が出たので、こちらの方も大切な情報として伝えたい。
サーカスと聞いて動物をイメージした方、それはもはや時代遅れとも呼ばれている。
なぜかというと、動物虐待の恐れがあるからだ。
世界的にヨーロッパや米国、南米でも動物のサーカスを法律で禁止する動きが加速している。
華やかに見える舞台でも一歩その裏へと行くと、劣悪で奴隷のような環境を強いられるからだ。動物は当然、鞭で打たれる訳だ。
今は動物による集客を狙うよりも、より芸術性としての高さを競うサーカス。それが現代のサーカスの主流となってきている。
その一番有名なのが、世界最高峰のサーカスとして名高い「シルク・ド・ソレイユ」だ。
今では更にその進化系としてドイツでこんなサーカス団体が出てきた。
動物は動物でも…!?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
奥深いジャグリングの世界が少しでも垣間見てもらえたでしょうか?
日本ではまだまだマイナーなジャグリングですが、欧米ではとてもポピュラーなものです。
決して特殊な事ではなく趣味の人も多く、休日の公園などにいくと必ずと言って良いほどジャグリングをやっている人を見かけます。
そしてジャグリングをやっている人はみな気さくでオープンな人が多い❗️😊
是非みなさんもそんな楽しいジャグリングの世界へと足を踏み入れてはみませんか?
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