アフリカ冒険

背筋に電気が走る衝撃とは!?ジェンベマスターに憧れて☆

2019年4月8日

僕と雄生がジャグリングに打ち込むのに対し、望とまさえはこちらの伝統芸能であるジェンベという太鼓を学んでみたいと言った。

以前から望は旅の途中、いつかジェンベを学びたいと時ある事に言っていた。僕はそれをあまりよく知らなくて相手にしていなかったが、今この機会に文化センターにジェンベを見に行くというので、僕も練習の合間に同行させてもらう事にした。

アシャンティ音楽団のコフィー

ケープコーストの郊外の広い敷地に文化センターはあった。

ここも海に面していて敷地内はきれいに整備されている。

そこに一つひとつ建てられたコテージは、中がホールとなっていた。

僕らを迎えてくれたのは、アシャンティ音楽団というグループでそこが彼らの練習場のようだった。

そのリーダーのコフィーは大柄な男性で、無骨な顔はライオンともゴリラとも取れる気概のある人物だった。

彼は優しい目で僕らを迎えてくれた。

とりあえず来たはいいが、僕はここで起こる事が、その後の自分の人生に大きな影響を与えるとはまだ思ってもみなかった。

望やまさえはジェンベを見るなり喜んでいたが、僕はただの’’太鼓’’としか見えてない。

コフィー率いる一団は、デモンストレーションを見せると言って、その場に僕らを座らせると生演奏を披露してくれた。

大、中、小のそれぞれの細長い太鼓が鳴り響き、それぞれが違うリズムを奏でながら、ハーモニーを生み出し始めた。

そこに鐘の音や、マラカスのような楽器でシャカシャカといった音も加わった。

そのベース音が出来上がると、コフィーは紐で股の下に釣り下げていたジェンベをおもむろに叩き出した。

その瞬間に僕は驚愕した…!

右がコフィー、左は期待の若手!

その手は見えないくらい速く、また想像もしてなかったような高音だ。

アフリカらしくダイナミックでエネルギッシュ。

また複雑なリズムだが、調和のとれた一体感。

そしてこのジェンベという楽器から繰り出される音色、それらを組み合わせたリズムは聴いていてなんて心地良いんだと我を忘れた。

しかし一番すごいのはやはりコフィーの手さばきだ。連打するその手は神業だった。

ただ、ただ僕は驚きのあまり固まっていたのだった…。

また彼の存在感と躍動感は格別だった。

僕はこの瞬間に、背中に電気のようなものがビリビリっと走るのを感じた。

こんなのを感じたのは生まれて初めての事だった。

演奏が終わっても、僕は感動からしばらく動けなかった。

凄い…。月並みだが、それ以上のどんな言葉を持ってしてもその感動は言い表せない。

みなはコフィーの事をこう呼んでいた。

’’ジェンベマスター’’

それは僕の脳裏深くに焼き付いたのだった。

ジェンベの繋ぐもの

その後宿に戻る道中、僕はジェンベを担いでいた。(笑)

そう、勢い余って買ってしまったのだった。(笑)

いや、半分無意識だった。僕も彼みたいになりたい、彼のような演奏がしたい!心から感動し、それは衝動となって考えるよりも先に行動していたのだった。

’’ジェンベマスター’’

一つ、自分の夢ができたのだった。

それからというもの、僕はジャグリングの合間にジェンベをやった。

ただ、どう叩いていいのか全く見当もつかず、そもそも自分は音楽を一度もやった事がないし、好きと思ったこともない事を思い出したのだった…。

小中学校でも音楽の時間はあまり好きではなかった。

しかし、あの時見たコフィーの演奏を思い出すと、身体中が熱くなるのを感じた。

それは、望やまさえもそうだったようだ。

なので僕らは基本から学ぼうと先生を付け、ジェンベレッスンを始めたのだった。

基本からレッスンを受ける。

ジェンベは正確にはガーナのものではなく、僕らが旅してきたマリとその一帯、つまり古代マリ帝国で使われていた楽器だった。→マリについてはこちら

そこで、人々は宗教行事から冠婚葬祭にまでジェンベを用いたとある。

また畑作業でもその傍らで演奏し、作業の士気を上げた。
まさに生活の多くの場面で使われ、非常に重要な楽器であったのだった。

古代ではグリオという職業があり、王宮に仕え、音楽を奏で詩や唄などを歌ったともある。それは世襲で代々子に受け継がれたそうだ。

そこで使われていたのがこれらの楽器だった。

(このグリオとは、ヨーロッパにあった王宮道化師にも似た役割かもしれない。→クラウン・ピエロとは?

こちらの者は今でも小さい時から太鼓や歌、踊りを身近に接して育つ。

その為にみなリズム感が抜群で、およそ誰でも太鼓を演奏できる一定以上のレベルを持っている。

僕らが練習していても、ちょっと貸してみろと、みんなが太鼓を叩きたがった。

彼らの故郷の歌だろうか、現地語で歌いながら演奏を披露してくれている。
ベース音だけ出し、ラップをする者もいる。音楽がすごく身近にあるのだというのを感じた。

生活に深く根付いている太鼓は、アフリカ人の魂とも言えるかもしれない。

アフリカ広しといえど、太鼓はアフリカ中のどこの場所でも存在する。

太鼓とは一番原始的な楽器だ。それ故に僕らの本能にまで深く響き渡るのかもしれない。

それは体を自然と動かす魔力がある。僕らの古い記憶と結びついているからだろうか?

様々な時間、それぞれの想い。

僕らは他の街にも行ってみた。もちろんジャグリングやジェンベを担いで。

ガーナは海沿いを行けば、どこも自然のままののどかなビーチが続いていた。

商業的に開拓されているわけでもなく、そこでは漁を営む者や、地元の若者らがサッカーなどをして遊んでいた。

子供達の無邪気な声が響き渡り、人間も自然も本来の姿をしていた。

ジェンベを叩く望とまさえ。近くの子供達が寄ってきてじゃれあっている^^
雄生とフィン(Mr.ファンタスティック)はアクロバットの特訓中!
物珍しい光景に、地元の若者らも見物にくる^^

僕らを囲んだ世界は着々と過ぎて行っていた。

日本から遠く離れたこの地に身を浸し、今出来る事に必死に取り組む日々。

それは輝きに似た青春の日々だった。

僕らは一歩づつ地を踏みしめ、今日という日を歩んでいたのだった。

***表記に関して***
ジェンベはジャンベとも表記されます。
英語ではDjembe。エとアの微妙なところの発音をします。
日本ではジャンベという言い方が一般的に広まってますが、より現地の発音に近いのは’’エ’’なので、ここではジェンベと表記します。

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