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人工言語・エスペラント語とは??未来の地球語となりうるのか!?

2019年9月11日

Saluton al ĉiuj!! (みなさんこんにちは!)

突然ですが、みなさんはエスペラント語ってご存知ですか?

聞いたことのない言葉?

どこにある国?どんな民族??

 

実は、そのどれにも当てはまりません!

この言葉は18世紀後半にヨーロッパのある人物によって造られた人工言語なんです!

なので、特定の国や民族によって話されている訳ではありません。

 

その目的は、公平中立である世界語となることを願って造られました。

 

その理念は、

  • あらゆる民族にとって平等であること
  • 習得が容易であること
  • 表現力が豊かであること

 

誕生から130年。まだまだ知名度は低いですが、草の根活動を通して徐々に普及しつつあるようです。

これはもしかしたら、次の時代のキーワードになるかもしれません。

 

あらゆる民族にとって平等であること

この言語の生い立ちは、1887年、現在のポーランド東部に住むユダヤ人眼科医ルドヴィコ・ザメンホフ氏によって創案された言葉です。

当時のポーランドはロシア領であり、そこにポーランド人、ユダヤ人、ドイツ人が混在していて、人々はロシア語を話すことを強要されていたそうです。

しかし、多くの民族の混在は、言葉による混乱とそこから民族同士による争いに発展してしまうことが多々あったそうです。

そこで彼が思いついたのが、どれか一つに偏った言語でなく、皆が中立的に使える第二言語があれば平和になるではないだろうか、そう考えたのが最初のきっかけだったそうです。

ラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフ(1859-1917)

 

世界には7000以上の言語があると言われています。

しかし、それのどれか一つを世界語にすると、絶対にどこかの国家間で張り合いが出てくるし不公平が生じる。

そうではなく、それぞれの民族の言葉は尊重しつつ母国語として持ち、みなが第二の中立に存在する言語を使えれば世界は平和に繋がり合えるだろう。

それが彼の言う国際共通語という考え方だ。

 

習得が容易であること

多くの言語では、歴史の中で培われて来た為に、不規則な文法の変化が数多く存在する。

英語は他のヨーロッパの言語と比べて比較的簡単ではあるけれど、それでも厄介なところは多い。

例えば、''行く''と言う動詞。

現在形の''go''は、過去形になると''went''になりますよね?

全く違う形になってしまいそれらを全て暗記する必要があります。

他の多くの言語でもそういったものが多くあり、勉強する苦労はつきません。

(自分はイタリア語も勉強しましたが、不規則変化の文法は英語以上にあり、その度に辟易していました...。)

 

しかしこのエスペラント語は、人工的に造られただけあって、そういった不規則なものは一切ありません。

動詞の過去形や未来系の変化などは、それぞれの語尾に決められた文字を付けるだけで簡単に表すことができるようになっています。

 

さらに、全ての名詞は''o''で終わり、

全ての副詞は''e''で終わり、

全ての形容詞は''a''で終わるなどに統一。

その為に、その単語が文法上の何なのか一目見てすぐに分かるようになっています。

それは、文章を作る上でとても楽です。

 

そして発音は、母音が日本語と同じ5つ、ア、エ、イ、オ、ウ。

全てローマ字読みで発音でき、聴いたままに書くことができる。

複雑な発音はない。語順も自由だ。

 

 

表現力の豊かさがあること

また、ザメンホフ氏は、ただ通じるだけでなく言葉としての美しさや豊かさも大切だと考えた。

彼は、シェイクスピアを始めとした様々な古典や文学作品をエスペラント語に翻訳し、言語としての表現力の豊かさや深さを追求した。

彼の死後現在では、後世によって世界中の多くの古典がエスペラント語に翻訳されている。

さらにエスペラント語での歌や、演劇、詩なども登場している。

 

一部には、結局造られた人工言語では、感情や情熱をしっかりと表現する事はできないと揶揄されている。

しかしそれらは、時間と共にその成熟度が増していくものだろうと思う。

それは全ての文化、言語でも同じだと思うから。

昔よりかは今の方が、どの言語でも表現力や語彙は増えているだろうし、その時々に現れる文学、芸能、芸術に秀でた人物。また、若者が創る新しい表現。

そうやって言語も磨かれていくのだろうと思うから。

 

エスペラント語にルーツはあるの?

エスペラント語を実際に聴いてみると分かるが、パッと聴いた感じだとスペイン語などを連想させる。

それもそのはず、この言語の主なルーツとなっているのはラテン語から。

創案者のザメンホフは当初、ラテン語を復活させる事が言語問題の解決の鍵になると考えた。(ラテン語は古代ローマ帝国などで使われていた言葉。)

しかしラテン語の持つ複雑な文法は学習の壁となる。

そこでその複雑な文法は排除し、極めてシンプルな構造とした。またゲルマン語族(英語、ドイツ語など)からも語彙を流用し、エスペラント語風にアレンジした。

全く0から新しい単語を作るよりかは、既存の言語から語彙を流用することによって、初めてこの言語に接する人でもなんとなくすでに意味を理解できるようにしたのだった。

その為にヨーロッパの諸言語を話す者達にとっては、エスペラント語の習得の容易さに繋がっている。

例えば「塩」という単語

  • 英語: salt (ソルト)
  • オランダ語: zout (ザウト)
  • ドイツ語: salz (ザルツ)
  • ラテン語: sal (サール)
  • スペイン語: sal (サル)
  • イタリア語:sale(サーレ)
  • フランス語: sel (セル)
  • ロシア語: соль(ソリ)
  • ポーランド語: sól (スル)

このように似ているところが多い。

これは、ヨーロッパの諸言語の源流が、インド・ヨーロッパ語族という大枠に属していて、そこから枝分かれしてきたものと考えられているからだ。

このようにしてザメンホフ氏は多くの単語でその共通点を見つけ出し、新しい単語を造る時にその意味合いを推測しやすいようにした。

そうしてエスペラント語で塩は、「salo」(サーロ)とした。(名詞なので''o''で終わる)

 

エスペラント(Esperanto)という言葉自体もラテン語を想像させる。

エスペラントという言葉の意味はエスペラント語では「希望をもつ者」という意味だそうだ。

ちなみに、''希望''はイタリア語で、''Speranza''

スペイン語では''Esperanza''

ポルトガル語では''Esperança''

となりとても似ている。

 

現在、世界中に存在するエスペラント語の話者達からは、結局ヨーロッパ寄りの言語であるという指摘がされている。

それはザメンホフ氏がヨーロッパ人で、当初、ヨーロッパの民族間の対立を温和する為に生み出されたという経緯がある以上仕方ないのかとも思う。

また、それでもヨーロッパの言語の構成や、アルファベット文字は、他の地域の言語や文字よりもかなり扱い易い、というのは客観的事実でもあると思う。

 

新しい言葉が出てきた時には?

言葉は生き物である。

その時代時代によって新しい言葉は生まれてくるし、新しい概念も生まれてくる。

当初ではザメンホフ氏が考案していたが、彼亡き今、現在ではどのようにしているのだろうか?

現在、世界エスペラント協会では、このように答える。

それは、「みんなで新しい単語を造る事ができるのだ」と!

 

例えば18世紀にこの言葉が生まれた当時、コンピューターという物は存在しなかった。しかしその後、その言葉が日常的に各言語で使われ始めた時、エスペラント語にも取り入れることが決まった。

コンピューターで言えば、Komputatoroや、Komputeroなどエスペラント語風に呼ぶ言い方が始まった。

しかし最終的に一番彼らにとって言い易かったKomputiloが多数決で決まったのであった。

そうして、辞書も作られて語彙も増えていった。

エスペラント語の辞書はこちらから。(アマゾンへ飛びます)

 

 

日常会話で最低限、会話を理解するのに必要な語彙数っていくつくらいだろう?

これは、既存の言語で言うと以下のように言われている。

  • 英語、3000語
  • フランス語、2000語
  • イタリア語・スペイン語・ポルトガル語、1800語
  • ドイツ語・中国語、5000語
  • 日本語、10000語(世界の中でダントツ....!(◎_◎;))


こうして比較してみると日本語の難しさが一目瞭然である...!!(日本語にある漢字と和語の存在や、擬音語や人称代名詞、敬語の種類の多さなどが理由らしい...。確かに複雑!)

エスペラント語にその統計は出ていないが、ラテン語をベースにし極力シンプルに構成してあり、当初ザメンホフ氏が発表した時点ではこの言語の単語数は900語であったそうだ。

それだけで日常会話が出来るようになっていた、というのには驚きだ!エスペラント語の容易さと効率の良さを表していると思う。

 

著名人と世界に与えた影響

エスペラントは、その発想の起点が平和と平等であり、また言語の違う民族間の相互理解や反差別などである。

その為に、多くの著名人にも影響を与えた。

日本においては、それが入ってきた当時1906年(明治39年)に日本エスペラント協会も設立された。

かの芥川龍之介や宮沢賢治もエスペラント語を学んでいたとあり、有名な作品銀河鉄道の夜にもその名前が見て取れるとある。

新渡戸稲造もエスペラント語を学んでいた。当時、国際連盟事務次長だった彼は、世界平和の為にこのエスペラント語が世界語となるように推進した。

しかし、そこには常に人間の闇の利権も絡んでいた。

当時、力のあったフランスやドイツ、イギリス、ロシアなどから、自分たちの言葉が世界標準語から外されるのを疎まれ、それはすぐに廃案となってしまったのだった。

さらにその後、ドイツ・ナチス政権や、ソ連・スターリン政権などは、自由平等を求むエスペラント語を学ぶ者達を不都合に思い、危険視扱いにし弾圧していったのだった。

日本では、過激な左翼団体などがエスペラント語を後押ししていった経緯もあり、その後厳しい弾圧を受けたそうだ...。

今でもその名残として、それらを知る人物達からは、エスペラントに対する偏見が残っているようだ。

 

人工言語は過去にもたくさんあった!?

手話などももちろん人工言語と言えるだろうが、人類の歴史の中を見てみると、特に中世以降、数多くの人工言語が生まれている。

それらのほとんどはやはりヨーロッパで生まれていて、アルファベットを使い英語やラテン語などをベースに造られている。

どれもそれぞれに文法の煩わしさを排除し、なるべく簡単に分かり易く造られている。

その中でもとりわけ面白いのはこちら。文字の代わりに音の高さで意思疎通をはかる!?

人工言語、ソルレソルとは?(wikipedia)

 

今後の未来と可能性

現在では世界中でエスペラント語を話す人口が多くて200万人はいると言われている。

ユネスコの諮問機関ともなり、その地位も確立してきている。

1905年からは毎年(戦時中を除き)世界大会が開かれ、そこには世界中からこの言語を話す人々が集うそうだ。

またその両親から生まれてきたエスペラント語ネイティブの子も誕生しているそうだ。

その子たちは、両親の話す母語とエスペラント語のバイリンガルである。

日本でも、意外と多くの企業の名前やお店の名前にまで使われていたり、テレビゲームやドラマ、映画、漫画(なんとドラえもんにまで!)、などにエスペラント語が登場している。

日本には現在、1000人超のエスペラント語話者がいて、定期的に勉強会が開かれているそうだ。

年に一度の全国大会も開かれている。

https://www.jei.or.jp/evento/2019/jek/

エスペラント人口は主にヨーロッパ、特にドイツ周辺に多いようだ。

 

まとめ〜平等な世界の為に〜

いかがでしたでしょうか?

英語以外に、このような言語があったなんてみなさんはご存知でしたか?

 

英語は、現在、事実上の世界共通語となっていますが、それって不公平にみなさんは感じたことがありませんか?

それだと特定の国や民族にとって有利に働き、それ以外の国の人々には不利ですよね。

また、母国語の特性上、英語が上手く話せない民族も多くいます。

(日本人もその一つだと思います!)

 

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英語について知っておきたい事

 

 

さらに、その不公平さを助長するが如く多くみられるのが、英語のネイティブスピーカー達は、英語以外を話せる人があまりいません。そもそも勉強しようとしない人も多くいます。

逆に弱小国と呼ばれる国の人々ほど、母国語に加え英語や、さらに他の言語もよく話せます。

 

日本という国も決して弱小国ではないので、僕らは基本的に外国語を学ぶ時には英語だけですが、アジアの小国などに行くと、英語に加えて日本語や中国語などを勉強している人たちをよく見かけます。

それは就職に有利だから、と。

結局は生き抜く為に、より多くの努力をしなくてはいけない...。

弱い者は、時間もお金もかけて努力し大変な道を歩き、強き者は高いところからただ何もしないで見ているだけ...。

世界がそのような図式に見えてしまい仕方ありません...。

これではいくら時代が経っても、昔に起こった戦争の跡を追っているだけで、いつまで経っても世界は平等になりませんね。

これは、当初、エスペラント語を創案したザメンホフ氏の嘆くところと同じだと思います。

このエスペラント語は、そういった不公平を無くすためにも誕生した言語でありました。

 

地球はおそらくまだまだ混乱し続けます。

そうして、いつの日か僕らが己のエゴや欲望、支配、暴力などを手放せ、お互いが真に手を繋ぎ合わせられる時が来た時に、その時の地球語としての言葉は、もしかしたら、このエスペラント語になっているのかもしれませんね。

その時は、世界は本当の意味で平和になっている時だと思います。

その日が早く来る事を願って...!

 

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