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ラスタファリズムとは?凄惨な歴史の裏にあった奴隷黒人たちの叫び

2019/06/07
 
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パフォーマーYogi 二十一歳の頃より世界を周る放浪の旅に出る。アジア、ヨーロッパ、アフリカと駆け巡り、そこでの出逢いからパフォーマーとして歩み始める。その後はイタリアに居を定め演劇芸術を学んでいく。豊富な経験と独特の感性から綴られる言葉は広く世の中を貫く。特技はバルーンアート!
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ラスタファリアンというのをみなさんはご存知だろうか?

俗にラスタやラスタマンとも呼ばれたりする彼ら。

本物を見た事がなくても、それを真似ている人や、またボブ・マーリーならば多くの人が知っているだろう。

髪の毛が絡まって太い束になっているドレッドロックスと呼ばれる髪型や、赤黄緑のカラフルな服を来ていて、レゲエ音楽をかけながら調子いい感じの人々。

知っているようで知らない彼らの実態

アフリカとの繋がり。

今回はそんなテーマです。

ボブ・マーリー

ラスタファリアンとは

これは、アフリカから強制的に連れ去られ、奴隷として生きていく事を余儀なくされたアフリカ人たちによるアフリカ回帰運動である。

それは、運動を超え、思想であり、宗教とも言えるかもしれない。

一般的には、その髪型だったり、カラフルな服装だったり、レゲエ音楽や、またガンジャ(大麻)もそのシンボルとして描かれていて有名ではないだろうか。

若者のファッションとしても定着していて、日本でもオシャレ感覚でそれらを身に付ける人も多いと思う。

この存在を世界的に有名にしたボブ・マーリーは、ラスタファリの思想やメッセージを曲に乗せて歌う最も優れたミュージシャンであった。

彼の歌は陽気なメロディーの中にも強いメッセージが込められている。

エチオピアニズム

このアフリカ回帰運動は歴史を辿ると、18世紀に提唱されたエチオピアニズムに端を発す。

それは、古代エジプト人と古代エチオピア人は同一人種であった。つまり古代エジプト人は黒人であったという考え方だ。

そしてかのイスラエルも古代は黒人の国であったと考える。

また、彼らラスタファリアンも教典とするのは旧約聖書だが、そこに登場する人物達は本当は黒人で、白人なのは後に書き換えられたというのである。

現在ではそれらがどこまで本当なのかどうかはわかりようが無いが、しかしこのエチオピアニズムは多くの黒人の尊厳の回復と思想の原点となっていった。

また、パン・アフリカ主義というのも19世紀初頭に起こった。これは、マークス・ガーベイというジャマイカ出身の人物が唱えた主義の主張で、アフリカから連れ去られ世界中に散ったアフリカ人達の解放と連携を訴えた運動だった。

それはアフリカ人達のアイデンティティーの高まりと、その後のアフリカ諸国の独立を促していくきっかけとなっていった。

黒人の王の誕生

そういった民族主義やイデオロギーを唱えた、マークス・ガーべイという人物。

エチオピアニズムを拡大解釈し、彼のカリスマ性もあって多くの人々が彼の言葉に耳を傾け、そしてその思想に共感した。

それは他の多くのカリブ地域にも伝わっていき、黒人達の間に浸透していった。

そしてその彼は予言した。

「アフリカを見よ。黒人の王が戴冠する時、解放の日は近い」

それは、まもなく本当の事となった。

それが1930年のエチオピアで、その皇帝こそがハイレ・セラシエという人物だった。

多くのジャマイカのエチオピアニズムやマークス・ガーベイを信条する人達は、その彼こそがメシア(救世主)であると信じ、それ以降この運動は最高潮に達し揺るぎないものとなっていったのだった。

ハイレ・セラシエの皇帝としての即位前の名前が、「ラス・タファリ・マコンネン」

エチオピアの言葉でラスは「頭」、「王子」、「司令官」などの意味があり、タファリは「恐れられるべき」という意味がある。

ラスタファリアンとはそこから語源が来ている。

「ユダの獅子、神に選ばれし、王の王」とも呼ばれたこの皇帝に人々は熱狂した。

つまりこれは、ハイレ・セラシエを崇拝する思想なのだ。

ハイレ・セラシエ一世

事実、彼らはよく’’ジャー’’というが、『ジャー・ラスタファライ』など。

ジャー(Jah)とは、神の名の短縮形だ。それはユダヤ教やキリスト教、イスラム教の唯一神と同じ神を指している。それとハイレ・セラシエと同一視しているのだ。

ハイレ・セラシエは彼らにとって、現人神なのであった。

アフリカ回帰運動

彼らのラスタマン達の望みは、この地バビロン(権力やお金や罪悪、西欧文化)を抜けて、ザイオン(アフリカ、約束の地)へと帰ることだ。

また以上のエチオピアニズムなどの台頭からも、アフリカ=エチオピアと解釈し、エチオピアこそがアフリカ人の母国というような風潮も生まれた。

他にもエチオピアが神聖視された理由に、最初の人類といわれる’’ルーシー’’がエチオピアで発見されたこと。またエチオピアはアフリカの中で唯一欧米の植民地にならなかった国である事。などが挙げられる。

しかしこれらの運動もジャマイカ国内で盛り上がりを見せるに連れて、ジャマイカ政府からも目をつけられ弾圧され始めていった。

しかし救いを求める人々は下級階層を中心に支持を大きく集めていった。

時代は、イギリス植民地支配下であり、度重なる災害も人々を苦しめた。

弾圧され始めた彼らは山に逃げ、そこでコミュニティーを作った。

そこでの共同生活から彼らは、髪型やガンジャ(大麻)によるラスタファリズムの基本の信仰儀式などを確立していった。

ドレッドロックス

真のラスタファリアンを示すものの一つに髪型がある。

これは旧約聖書の記述に則り、「例え髪の毛であっても自らの身体に刃物を当ててはいけない」に基づいている。

またハーブを入れた天然水でしか洗髪せず櫛などを入れないため、それを忠実に守った結果、頭髪が絡まり房状になったのである。

しかし普通のジャマイカ人は彼らのドレッドロックスに対して、嫌悪感を抱いている人も多い。

ジャマイカの社会ではまっすぐで艶のある髪がよいとされている。

しかしラスタファリアンにとって彼らの髪型は社会的反抗の意味も込められており、また自由、解放のシンボルともなっている。

(ドレッドdread=恐ろしい、locks=房状の)

*ラスタファリアンが必ずしもドレッドロックスであるとは限らない。
その逆も然り。最近ではオシャレでドレッドロックスをしている者も多い。

ガンジャ(大麻)

彼らは菜食主義者(ベジタリアン)である。その彼らの自然回帰指向にとって、大麻は神聖な植物であった。

元々はアフリカの土着伝統文化から生まれ大麻は薬草だった。民間療法などでも用いられ日常の中でも広く使われていた。

しかし、ラスタファリアン出現以降、大麻は宗教上神聖なものとして新しい意味を持つようになった。

瞑想やあらゆる儀式にも使われるようになり、彼らラスタファリアンを語る上では欠かせないものとなっていった。

彼らはもちろん大麻の使用は法律違反であると知っている。しかしそれは社会への抗議として、そしてバビロンの法からに対する解放をも意味している。

また聖書の中にも書かれており、神によってその正当性が証明されているとある。
さらに彼らは、酒は人間を暴力的にするが、大麻は人を穏やかにすると考える。

*ガンジャとは聖なる草の意:ガンジャとは元々はヒンディー語であるが、イギリスの植民地だったジャマイカに、ヒンディー教徒のインド人が多く入植した際、大麻の種子が持ち込まれて普及したとある。これがジャマイカでもガンジャと呼ぶ由縁となった。

ラスタカラーとライオン

王の中の王と呼ばれ拝められたハイレ・セラシエはよくライオンと共に描かれている。

それは彼らにとって最も誇り高きシンボルであるからだ。

またよく見るラスタカラーだが、赤、黒、緑が当初の組み合わせであり、

赤=ジャマイカ史における殉職者の血の色

黒=ジャマイカ人の黒人の色

緑=ジャマイカの植物と抑圧に打ち勝つ希望の色

そこによく入る黄色(金色)はエチオピアの国旗の金色が付け加えられたものである。

それは太陽を表している。

エチオピアの皇帝旗

まとめ

現代ではオシャレやファッションとして定着しているラスタやレゲエ音楽。

しかし、その成り立ちを知ると、一言では言い表わせない歴史の重みを感じる。

それらは決してカッコいいからの言葉では片付けられない深みと悲しみがある。

だからと言って僕らがどうこうする事はないが、しかしそういった歴史によって成り立ってきているという事を知ることは大事なことではないだろうか?

その理解こそが彼らを真に解放に導き、救う事となると思うから。

→ガーナとジャマイカの繋がり?

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パフォーマーYogi 二十一歳の頃より世界を周る放浪の旅に出る。アジア、ヨーロッパ、アフリカと駆け巡り、そこでの出逢いからパフォーマーとして歩み始める。その後はイタリアに居を定め演劇芸術を学んでいく。豊富な経験と独特の感性から綴られる言葉は広く世の中を貫く。特技はバルーンアート!
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