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試練!60時間のバス旅…、古都バマコを目指して三千里!

2019/04/26
 
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パフォーマーYogi 二十一歳の頃より世界を周る放浪の旅に出る。アジア、ヨーロッパ、アフリカと駆け巡り、そこでの出逢いからパフォーマーとして歩み始める。その後はイタリアに居を定め演劇芸術を学んでいく。豊富な経験と独特の感性から綴られる言葉は広く世の中を貫く。特技はバルーンアート!
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セネガルのダカールを出ると、僕らは隣国マリの首都バマコを目指した。

西アフリカの地域は、その昔マリ王国というのがあり、現在のセネガル、マリ、ブルキナファソ、コートジボアール、ギニアなど一帯に広がっていた。

欧米や日本でも有名なジェンベという太鼓の原産国であり、またバラフォンやコラといった楽器もこの王国で演奏されていたものである。

また、マリ王国の全盛期には金や塩の貿易で繁栄を極めたとある。12世紀~16世紀の事である。

マリを中心とした王国で使われていた様々な楽器。真ん中のはギニアの神様ニンバ。

古都バマコを目指して

ダカールからはバスが出ていた。

バスはアフリカにしては綺麗だと思うが、しかしかなりレトロである。

乗客は意外と多く、出発間際にやってきた僕ら3人には通路の補助シートが割り当てられた。

左右には、みんな現地のアフリカ人ばかりが乗っていた。
男ばかりだ。外出するのは男性、というイスラム教社会のせいだろうか。そう、ここ西アフリカ一帯は敬虔なイスラム教社会だった。

バスは出発すると、しばらくは舗装された綺麗な道を走った。

しかし、出発して30分も経つと、バスは路肩に止まった。

ドライバーがボンネットを開けて、何やら修理している。

どうやら故障したようだ。

早いな(笑)

よくある事だが、さすがに早すぎだろうと思わざるをえなかった。

乗客達は文句一つ言わないが、直すドライバーを囲み野次馬する。見られる方は結構なプレッシャーではないだろうか?w

しばらくすると無事に直ったらしい。良かった!

僕らは気を取り直して再び出発した!

しかし、少しの間は順調に走るも、また30分くらいするとすると路肩に止まってしまった…。

ドライバーが降り、再びボンネットを開けて修理が始まる。

乗客達もまた降りてそれを野次馬する…。(笑)

そしてまたしばらくすると直り、再び走り出す。

しかしまたしばらくすると止まってしまう…。(笑)

ドライバーが直しに行き、乗客もまた野次馬する…。

こんな事が何回か繰り返された。

ここのドライバーはメカニックの知識もないと務まらないようだ。

しかしこんなんで無事に進めるのだろうか?

最初は僕らも面白可笑しく見ていたが、その内に疲れてきてしまった。

この先が思いやられる

また、バスは別の目的でも停まった。

それは、日に5回あるというイスラム教のお祈りの為だった。

どうせなら修理している時にやって欲しいものだが、時間が決まっているのだろうか、僕らはその度に待たされる事を余儀なくされたのだった。

バマコへはいったいつ着くのだろう?

およそ1000kmの道のり。

僕らはざっくり、およそ2日かかるとだけ聞かされていたのだった

過酷なバス旅。永遠と続くロード

夕方になってくると、バスはほとんど故障しなくなった。

さっきまでのは一体なんだったんだろう?

しかし、それはすごく有り難かった。やはりいちいち止まり時間を無駄にするのは精神的に辛い。

少しでも早く前に進みたいと思うのは人間の本能的欲求だろうか。

またバスの中は暑く、狭く、むさ苦しい。忍耐でしかなかった。

隣の乗客とも会話することもなく、お互いがお互いを我慢しているような状況であった。

精神的に追い詰められてくると、無意味に相手にイライラしたり、否定したりしてしまう。そこには相手を理解しようとか譲り合おうと言った精神は無くなってくる。文化の違う外国ならば尚更だ。

しかしある時、国立公園の脇を通るとみんなバスの片側の窓に集まった。

『おい、あれ見ろよ!動物がいるぞ!』という感じで誰かが言い、みんなわいわいキャーキャー騒ぎ始めたのだ。

なんと!アフリカ人だけど彼らは動物を見たことがないようだ!

確かに今まで通ってきた国々に動物はいなかった。

なんて事だ!(笑)

アフリカ人は動物と共存している、というのは僕の勝手なステレオタイプのイメージだったようだ。

まるで子供が初めて動物園に行って動物を見るように彼らは興奮し顔をほころばせ喜んでいる。

僕はそんな些細な事にだが、彼らに親近感が湧き、愛着が湧いたのだった。

彼らも同じ人間なのだ。肌の色や文化は違えど同じものに感動し、同じものに苦しさを感じる。

バマコにはいったいいつ着くのだろうか?

前半の故障で時間をだいぶロスした。

二日で着くと言うのは、解釈の仕方によっては明日ではなく、明後日に着いてもおかしくない。

しかし余計なことは考えないほうがいい。これは瞑想に近いかもしれない。

僕らは未だ見えない希望の光に対して、余計なエネルギーを使わないように最小限のエネルギーでバスの中でうずくまっているだけであった。

また、バスはたまにどこかの村に停まり、休憩をした。そこにある食堂ではご飯を食べれる。

しかし僕は衛生的に汚く感じ、あまり食欲が湧かなかったが、雄生は気にせずに旨い旨いと言って食べていた。

彼こそまさにどこででも生きていける人間であろう。

休憩中。とりあえず食べ物を探す

豆料理はこちらでよく食べられている

アフリカンキッチン。七輪のような器具で調理する。火加減が難しそうだ

名もわからない辺鄙な村へと

夜になるとバスはどこかの街へと止まり、ドライバーは乗客に明日何時出発だと告げると一方的に降ろされた。

乗客達は蜘蛛の子のように散り消えていった。

どうやらここで今夜は泊まるらしい。僕らも宿を探した。

街とも村とも言えないよくわからない場所。

すごく閑散としている。夜なので一層寂しさも感じた。

僕らは宿を探すと、その後何か食べ物を求めて外へと出かけた。

すると宿の近くに小さな小屋があり、子供達が集まっているのを見つけた。

そこでは懐かしのゲーム機プレイステーションが置かれていて、テレビ画面にみんな夢中になって観入っていた。

僕と雄生も目を輝かせた。

そこでやっていたゲーム、それはずばりウィニングイレブンだった。

これは日本が誇るサッカーゲームで世界中で人気のあるゲームだ!

一回やるのに少額のお金のやり取りもしていた。

どうやらここはゲームセンターらしい!(笑)

僕らは興味津々に外から見ていると、中でやっていた中学生くらいの子供達からやるかと言われ、僕らはコントローラーを渡された。

ならば!と僕と雄生は、前へと躍り出た!

突如として現れた異邦人の登場に、子供らの目は驚きと輝きに溢れた。また、さらに日本人というのを知ると憧れと尊敬の念さえも感じた。

そう、僕らはゲームの聖地・日本から来た使者なのだ。彼らにしてみれば夢のまた夢のような場所から来ているといっても過言ではないかもしれない。

僕らは大きな責任さえも感じた。彼らの夢を壊してはいけない。ここでお粗末なプレイをして彼らをがっかりさせるような事があっては絶対にならないのだ。(笑)

しかし実際のところ、僕は野球少年だったので、ゲームもあまりサッカーはしてこなかった。それでも人気のあるこのゲームは一時期ハマってやっていた事はあるが…。

雄生はカナダ育ちだが、ゲームもやはりよくやっていたようだ。このゲームもまぁ得意そうだった。

しかし何よりも、長時間のバス旅で疲れていたところ、ゲームで遊べるのは嬉しかった。また子供達に囲まれて、ヒーローさながらに囃し立てられるのも悪い気分ではなかった。

僕らはワクワクを隠せないでいた。

『やるぞ~!!』

いざっ!キックオフがなされた!

久しぶりにやるこのゲームは、ボタンの配置などを少し忘れていたが、しばらくやっていくうちにすぐに思い出した。

雄生は言うだけあって強かった。何度か点を取られた。

しかし僕も負けてはいなかった。

お互い点が入るたびに、周りの子達からは歓声が上がった!

上手くないと出来ないパスやボールさばき、ドリブル、シュートの仕方、仲間との連携プレイ。それらを見る度に彼らは’’おー!’’とまた歓声をあげた。

『どうだ、見たか!これが本場のテクニックだ!』

子供達も身を乗り出してテレビ画面を見つめ、小屋の中はさながらワールドカップ並みの熱気に包まれた!!(笑)

勝敗は最初雄生が勝った。その後何度かプレイさせてもらったが、僕と雄生は勝ったり負けたりだったが、総合的に雄生の勝ちだった。

彼にゲームでも負けて悔しかった。しかし、

たくさん笑った、

たくさん叫んだ、

たくさん悔しがった、

そして、とっても楽しかった!!

子供達とはゲーム以外何も喋ってないが、みんなクリクリの目と屈託のない笑顔でずっと僕らと接してきてくれたのだった。

最後にまた空手やカンフーをして遊んだ。(笑)

名前もわからない、どこにあるのかも未だに分かっていないアフリカの旅の途中の辺鄙な村での出逢いだった。

まさに一期一会だった。

彼らは未だ僕らの事を覚えているだろうか?

次の日も続くバス旅

昨夜の事で少し元気を取り戻した僕は、今日も再びバスに乗り込んだ。

二日目ともなるとだいぶ慣れてきたのか、また席の近くのアフリカ人達とも顔馴染みになって来て気を使わなくなって来た。

みんな大変だ。

みんな辛い。

同じ目的地を目指していざ進んでいこう。

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パフォーマーYogi 二十一歳の頃より世界を周る放浪の旅に出る。アジア、ヨーロッパ、アフリカと駆け巡り、そこでの出逢いからパフォーマーとして歩み始める。その後はイタリアに居を定め演劇芸術を学んでいく。豊富な経験と独特の感性から綴られる言葉は広く世の中を貫く。特技はバルーンアート!
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