ここでは舞台の基本的な使い方を説明します。
大小さまざまな舞台がありますが、そのどれにも共通しています。
舞台はお客さんとのやりとり、また駆け引きの場でもあります。
そこには見えざる心理的な要素も多く存在します。
それらを知るとまた舞台が違って見えてくることと思います。
目次
舞台・ステージに立ったらお客さんへ背を向けない
舞台・ステージに立ったら原則お客さん側へと背中を見せないようにしましょう。
これは、舞台に入る足から、立ち居振る舞い、座り方など全てに共通します。
敢えて背中を見せるなどの意図がない限り、注意しましょう。
入る足に注意
舞台に入る際に、入る足に注意してください。
上手から入る場合は、右足から入ると体がお客さんの方を向いて入ることになります。
下手からならば左足からですね。
些細なことですがこういった小さなことが、お客さんの深層心理に影響してきます。
舞台に立つ以上、お客さんと自分との間に壁を何も作らないようにしましょう!
上手と下手
舞台袖の事を日本では「上手」(かみて)、「下手」(しもて)と呼ばれれます。
観客側から見て右が上手。左が下手。
これは舞台側から見ても言い方は同じです。
舞台演出では、この見えない中に、上手く人間の心理をついた演出を行っています。
例えば、ボクらは一般的に無意識に右側(上手)にいる人物を強者と見たり左側(下手)を弱くみたりしています。
一般的な大道芸や個人でのステージショーなどではここまで意識する必要はないかもしれません。
しかし、こういった舞台の知識は覚えておいて損はないと思います。
全身を使って大きく表現をする
ボク自身がこの演劇を勉強していたのはイタリアでです。
その時、演劇学校の先生に何度も注意されたことがありました。
それが、「動きが小さすぎる」ということ。
「もしかしたらそれは日本人の性質なのかもしれない」とも言われました。
確かに思い当たる節はありますね^^;
ボクら日本人はその文化や性質から、動きが小さいかもしれません。
行儀がよく、モラルがある反面、舞台上ではそれはアダとなります。
月面に届くくらいを意識する
なので、例えば舞台上で手を伸ばす時、その手は月へと届くくらいを意識しましょう!
大袈裟にやるくらいが実はちょうど良かったりします。
舞台上で小さくて良いことはありません。
大きく、伸びやかに、全身を使って表現しましょう。
「オン」と「オフ」を切り分けよう
とは言っても、ずっとテンションが高いのも疲れてしまいますよね…。
なので、しっかりと「オン」と「オフ」が使い分けられると良いと思います。
舞台の外では、オフで。
しかしひとたび舞台に上がればオンで!
溜めておいたエネルギーを一気に爆発させましょう!!^^
声の三段階を使い分ける
声の大きさをしっかりと使い分ければ、人の関心を上手く集めることができます。
例えば:
『みなさんこんにちは!今日はお集まりいただきありがとうございます!
これからみんな大好きバルーンを使ったワクワクドキドキのパフォーマンスを始めていきたいと思います。
さらに今日はスペシャルで、驚きの作品もご披露したいと思います。
さぁさぁ、ただいまより始まります!大きな拍手をお願いします!』
とずっと同じ一定の声で言うのと、
『みなさんこんにちは!今日はお集まりいただきありがとうございます!
これからみんな大好きバルーンを使ったワクワクドキドキのパフォーマンスを始めていきたいと思います。
さらに今日はスペシャルで、驚きの作品もご披露したいと思います。
さぁさぁ、ただいまより始まります!大きな拍手をお願いします!』
と、言っていくのとでは、聞いている方の関心を掴むのはどちらかはすぐにわかりますよね^^
声の出し方はそれ専門の学問もあり、腹式呼吸が大切だったり、声の通る方法などいろいろとあり正直難しいです。
ここでは、それらのことには言及しません。
それらの知識がなくても、声は大きさを変えるだけで、人々の関心を集められます。
声の大きさ:大・中・小
これだけをまずは意識してください。
ポイントとしては、大切なことや特別なことは小さな声で言うこと。
人の関心がギュッとそこに集まりますよ!
押してダメなら引いてみろ
パフォーマンス中、お客さんが集中していなかったり、関心が途切れてしまう時があるかもしれません。
その場合は、押したり、引いたりしてみましょう。
今立っている場所から、前へと進み、敢えてお客さんの目の前に行ってみたり。
左右に歩き回ってみたり。
けれど、前にいすぎればお客さんは圧迫感を感じてしまうので、後ろにも引いてみたり。
こういった動きは適度に入れる事をオススメします。
声の強弱と一緒で、動きに変化を入れます。
また同じ理屈で、例えば、バルーンであれば速く捻ったり、遅く捻ったり。
頭の上で捻ったり、お腹の前で捻ったり。
最初の項で背中は見せないと書きましたが、完成前のバルーンをもったいぶって見せる為に、敢えて背中を見せて隠しながら捻ったり。
また自分の顔や視線の位置も重要になってきます。
顔を伏せていれば、それは心を「閉じた」意味。
顔を上げてお客さんを見ていればそれは心を「開いた」意味。
閉じすぎも良くないし、開きすぎもよくありません。
これは、人へと与える心理的なものです。
人間ずっと見られていると落ち着かないし圧迫感を感じますよね?
しかしずっと伏せていれば、疎外感を感じるし、関心が薄れてきてしまいます。
嫌なことはしない
これは大切なことですが、お客さんの嫌がることをするのはやめましょう。
例えばバルーンで言えばお客さんが怖がっているのに、関心を引きつける為にとバルーンを何度も割ったり。
また、嫌がっているのに、客いじりと称してちょっかいを出し続けるとか。
これはある種、「空気を読む」という感覚になってきます。
日本社会一般ではよく言われるこの言葉ですが、舞台に立つ者ならば世界共通して「観客・会場の空気を読む」と言うことは当たり前として行われています。
例えば今している芸が、ウケている、ウケていないと見定める為でもあり、お客さんが飽きてないか、楽しんでくれているかなど、その場の空気を常に感じています。
当然ですね。
また、
- 音楽やマイクの音がうるさすぎないか(逆に小さすぎないか)
- お客さんが快適に見れる環境にいるか
- これをすることによって、見ている人たちに悪影響を与えないか
など、その場を支配するパフォーマーにとっては、周りに対する責任もあります。
ぜひみんなが心から楽しめる環境を作ってあげてくださいね!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は基本的な舞台・ステージの使い方や、そこでのテクニックをお伝えしました。
パフォーマンスはお客さんとの心理戦な部分もあります。これは舞台の大小に関わらず。
そして経験こそが全てです。
素敵なパフォーマーを目指して進んで行ってくださいね!