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【チベット旅】闇バス疾走2000km!ラサの光を目指して

チベット旅へ


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目的地インドを目指して

当時、東南アジアを旅していた僕はタイにいた。そして次の目的地インドを目指して頭を悩ましていた。

ミャンマーを通過して行けばすぐにインドへと行けるのだが、ミャンマーは当時軍事政権下で国境を封鎖していた。

飛行機を使わないのが僕の旅のポリシーだった。

なのでインドへと陸路で向かうためには、必然的に中国からチベットを経由して進んで行くしかなかった。

闇バスに揺られて

中国の真ん中ら辺、チベット地域が始まる直前にある都市、成都。

ここは中国を有名にするジャイアントパンダ生産地や、三国志に登場する諸葛孔明で有名な場所だ。

ちなみにパンダも元々はチベットに住んでいた生き物である。

僕がこの街に来た理由は、ここから闇バスを使ってチベットの首都ラサを目指すためだ。

と言ってもそんなに大袈裟なものではない。

闇バスというのは僕ら旅行者にとってのもので、要は地元のローカルバスだ。

ただ、チベットをあまり外国人に見て欲しくない中国政府は、旅行者が通っていい道を一本に決め、そこ以外からは外国人のアクセスを禁止しているのだった。

その為に、その正規ルート以外からの道は全て違法。そこを通っていいのは中国人だけとなっていた。

そんな事を、東南アジアを周回中に別の旅行者から聞くと、若かりし僕は俄然その闇バスに興味を持った。

政府が勝手に決めた表面上を整えた道なんか詰まらない!そっちの方がよっぽど面白そうだ。

現地で生きる人々の生の生活を見てみてみたい!

僕は若さとエネルギーに満ち溢れ、それ以外の選択肢は見当たらないと思った!

ただ、これが今思うと、その後の過酷な茨の道になるとはまだ思ってもみなかったのだが…。

標高3000m以上、荒野の世界へ

成都の長距離バス停に行くと、漢字でずらりとたくさんの行き先が書かれていた。

目的地はチベットの首都ラサである。

ラサの漢字表記は拉薩だが、簡体表記で「拉萨」となる。似ているのですぐに分かる。

しかし予め得ていた情報では、成都からの直通バスはない。距離にしておよそ2000km以上離れているので、2、3度乗り換える必要があった。

その途中にある主要な街の名前をすでに得ていたので、まずはそこへ向かうバスを探す事にした。

いざ、バスは出発し街を出ると、すぐに山を登り始めた。

木々が無くなっていき、乾燥した大地が現れてくる。

たまに通過する街も味気ないもので、住むには難しそうな環境だというのが伝わってきた。

チベット

チベット

チベット

チベット人

バスの中はほとんどが中国漢民族だった。

中国政府が自国民たちへチベットへの移住政策をしているせいだろうか?

そんなチベット人と中国漢民族、彼らは見分けるのは簡単だ。

チベット人は高原で暮らす民族の為に紫外線を平地民よりも強く浴びる事になる。その為に顔が浅黒く焼けている。

また身体内面も薄い空気に耐えられるように、DNAがより適した形に進化しているという。

バスに乗っていたチベット人。

バスの中に乗っていた数少ないチベット人。中国人達も興味津々に見ていた。

チベットの食とバター茶

バスは食事時間になると、どっかの村の食堂で止まってくれる。

チベットは高地の為にそこまで豊富に食材はない。味付けもシンプルと言われていたが、これを見よ!

疲れた体には十分に御馳走である!😊

チベットの食事

テーブル中央にあり、平べったい肌色のもの、これはヤクのタンである。なかなかの珍味であった。

また、チベットの食文化はユニークだ。人間の知恵というものを感じる。

その一つに「バター茶」というのがある。

これはヤクの乳から作ったバターを使って作られる。

高山地域により失われがちな体の成分を整えてくれる役割があるのだった。

バター茶は、乾燥した気候で失われがちな水分、脂肪分、熱量と塩分を効率的に補給することができ、暖も取れるため、チベットではよく飲まれている。朝から夜まで少なくとも一日10回ほどは飲まれ、多い人は日に5リットルも飲む場合がある。飲む時に唇に脂肪が付くため、リップクリームのようにひび割れを防ぐ効果もある。

引用:wikipedia

しかし、これがなかなか飲み慣れないと不味い…(笑)

要はお茶の中にバターが入っているのである。そしてしょっぱい。

もう、これはスープと言った方がいいのかも知れないが、チベット人たちはこれを朝から晩までたくさん飲む。

仏様にも供えるし、客人にももてなす。家庭によって味が違うらしく、母親から娘へと伝授される。

日本でいう味噌汁の味(古い?)と言ったところか!

バター茶を作ることは誰でもできるが、おいしいバター茶を作るのは簡単ではない。バター茶作りも、母から娘へと伝承していくもので、その家によってバター茶の味が異なるものだ。

引用:ダライラマ法王日本代表部事務所

バター茶

ドンモと呼ばれる道具でバター茶を作る女性

ヤク

上記した食文化にも現れているが、チベットの生活で欠かせない生き物にヤクがいる。

およそ2000年前より家畜化されチベット民族と共に歩んできたヤク。ヒマラヤ地域のみに生息し、黒い毛に、頭にはツノも生える。穏やかな性格で牛と同じ科目に属す。寒さと高地に適応しており標高4000m以上に生息する。

現在でも重宝されていて、荷役用、乗用、毛皮用、乳用、そして食肉用にも使われる。

彼らの生活には欠かせない相棒だ!

ヤク

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